中国国家知識産権局は、このほど「２０２４年全国知的財産権サービス業統計調査報告書」を発表しました。報告書の概要は次のとおりです。

サービス機関の数は増え続けている

２０２３年末までに、中国において知的財産権サービスを提供する機関数は約８．９万社となり、前年同期比で２．９％増加しました。そのうち、特許代理機関は５２６９社、商標代理機関は３５７１２社となっています。知的財産権に関する法律、運営、情報およびコンサルティングサービスを提供する機関はそれぞれ約２．２万社、０．９万社、１．６万社、５．８万社でした。

業界の収益規模は安定しつつ上昇している

２０２３年、中国の知的財産権サービス業の総営業収入は約２８５０億元で、前年同期比で５．６％増加しました。そのうち特許代理機関の総営業収入は約４６２．６億元で、単一機関の平均営業収入は９３４．９万元でした。２０２３年の知的財産権サービス業従事者の一人当たりの営業収入、すなわち労働生産性は２８．９万元／人でした。

雇用促進効果が現れている

２０２３年末までに、中国の知的財産権サービス業従事者数は約９８．４万人にのぼり、前年同期比で１．５％増加しました。そのうち特許弁理士業従事者は３４３９６人で、前年同期比で９．７％増加しました。２０２３年、知的財産権サービス機関の４１．４％が新入社員の募集を行い、１５．８％が新卒者を採用しました。新入社員の年齢は主に２５～３０歳に集中しています。知的財産権サービス業従事者の学歴レベルは高い水準を維持し、大学本科（大卒）以上の学歴が７１．５％を占めています。

サービス供給構造のさらなる最適化

２０２３年、中国知的財産権サービスの供給は更に完備されました。地理的なカバー範囲が著しく増加し、中国の知的財産権サービス機関はすべての省、自治区、直轄市をカバーしています。また、知的財産権サービスの内容もより全面的となり、２種類以上の業務を提供する知的財産権サービス機関は６４．９％を占め、前年比で１５．３％上昇し、１３．４％のサービス機関が３種類以上の知的財産権サービス業務を提供しています。知的財産サービスモデルはより多様化していて、大手機関は一連の一体型サービスモデルを積極的に構築し、顧客に総合的な知的財産権ソリューションを提供し、中小機関は市場の細分化に専念し、特色化、微細化サービスを通じて市場競争力を強化しています。

組織のサービス能力は継続的に向上している

２０２３年、知的財産権サービスのデジタル化・知的化レベルがさらに向上しました。　２９．３％の組織がデジタル化への変革を推進し、８２．４％の組織がビジネスデータベースまたはソフトウェアを利用してサービス品質を向上させています。２０２３年、渉外知的財産権サービスを展開する機関の割合は継続的に上昇し、４０．３％の機関が中国市場主体の海外進出に知的財産権サービスを提供し、３２．２％の機関が、海外企業が中国市場に進出するための知的財産権サービスを提供しました。知的財産権サービスの企業の市場経営と革新的発展との結びつきはより緊密になり、企業戦略、市場競争、ブランドレイアウト、コンプライアンス審査、リスク管理などの面で深く溶け込み、調査を受けた機関の５６．２％が企業市場競争戦略の制定とブランドレイアウトに参与したと表明しました。

革新的な役割をより顕著にサポートする

２０２３年、特許代理機関が代理した専利出願件数は中国専利出願件数全体の９０．６％（即ち、専利出願の代理率が９０．６％）を占め、前年より９．１ポイント上昇し、そのうち特許出願の代理率は９４．４％に達し、前年より４．７ポイント上昇しました。商標登録出願の代理率は８７．７％となっています。商標代理機関３２０社が地理的表示として使用している団体商標、証明商標の登録出願９６８件を代理し、代理率は９５．８％でした。知的財産権サービス機関５９６社が集積回路レイアウト設計出願７８６４件を代理し、代理率は６０．９％でした。知的財産権サービス業が科学技術の成果を現実の生産力に転化させる作用はますます顕著になっています。

専利の転化支持作用が現れる

２０２３年末までに、専利の産業化関連サービスを提供する知的財産権運営サービス機関の割合は顕著に上昇し、３５．８％に達し、前年より５．６ポイント上昇しました。需要側から見ると、革新主体の専利産業化関連サービスに対する需要は明らかに高まっていて、知的財産権運営、情報、法律、コンサルティングなどのサービス分野でその需要が現れています。供給側から見ると、サービス機関は専利価値評価、専利転化運用需給マッチング、市場レイアウトやブランド展開などの多次元サービスを通じて、企業の革新発展を支援しています。

出所：中国知識産権局ホームページ